taketsanの観心日記

海外でお仕事中。

『路傍の石』これは読み終えたというのかな…。

純粋なサクセスストーリーを描いた物語だね。京造が後半のストーリーにどうかかわっていくのか、気になるところ。なんていうか、とても中途半端な終わり方をしてるもんだから驚いたよ。悪友の誘いをことごとく断ち切ってわが道をゆく。その生き方に学生時代の自分を思い出す。そうすることができたらどんなに良かったかなぁって思うな。

明治の時代を丁寧に描きながら、山本有三はしたたかに人間の醜い部分を批判してる。誰にだって汚い誘惑に負けて、金に負けて、堕ちてゆく。

続きを私が書くとしたら、日露戦争に勝利して狂喜乱舞する日本をバックに、わが道を生きる吾一を描き、社会に勝負を挑む小説にするだろうな。人生はそんな小さな勝ち負けじゃないんだぜ。